2017年5月24日水曜日

アカヒレの死

小さな水槽で「アカヒレ」を飼い始めて1年近くになります。
本当に小さな水槽なので、エアーも濾過器もつけていないんですが、
水が合っていたようで、買ってきた5匹のアカヒレは元気に泳いでいました。

3ヶ月程たった時に、そのうちの1匹が痩せ始めました。
他のアカヒレからも追いかけ回されるようになり、
水草の影に隠れていることが多くなりました。
ますます痩せていって、元気がなくなっていきました。
やがて、餌も食べられず、逃げる気力も無くなってしまいました。
明日にも死んでしまいそうでした。
朝になる度に、死んでいるだろうかと、水槽を眺める日が続きました。

ところが、アカヒレは、なかなか死にませんでした。
痩せ衰え、呼吸も絶え絶えなのに、死にませんでした。
魚とは云え、同じ脊椎動物ですから、アカヒレの辛さは伝わってきます。
死んでしまったほうがどれほど楽だろうかと思います。
でも、アカヒレは、水草の影で生きていました。
ただ、死ぬためだけに生きていました。
僕は、毎朝、水槽を眺めては確認するのが日課になりましたが、
それは、アカヒレが死ぬのを待っているようなものでした。

1ヶ月後、アカヒレは死にました。
明日は死ぬだろうと思われながら、1ヶ月の間、生きていました。

生き物は、そう簡単に死ねるものでは無いようです。

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