2017年6月18日日曜日

尿取りパット(お食事前後の方は閲覧注意です)

 僕が受けた手術は、直腸癌の腹腔鏡手術です。直腸を切って繋いだので、手術直後は、絶食でした。ですから、消化器の中には、食べ物は入ってないのですが、出血とか老廃物などが出ますので、排泄物はあるんだそうです。つまり、人間というのは、何も食べていなくても、ウンコは出るということです。
 そういうものが、直腸に溜まっていると、手術で繋いだ部分に良くありませんから、肛門に管を入れて、溜まらないようにしていました。つまり、お腹の中のモノは、ノンストップで体外に出るようになっていたわけです。で、それを受け止めるために、女性用の特大尿取りパットを着けさせられていました。

 手術直後は、たいしたことは無かったんですけど、水分を取り始めたり、大腸の活動が復活してくるにつれて、お尻も汚れるようになりました。「何か出てるな」って感覚はあるんですけど、悲しいことに、自分では止めることができません。
 定期的に、看護師さんに拭いてもらうしかありません。赤ちゃんと同じです。病棟の看護師さんは、男も女も若い人が多いのですが、仕方ありません。もっとも、入院していると羞恥心などというものは消えてしまいますけど。
 若い男の看護師さんに拭いてもらったときに、「申し訳ない」みたいなことを云ったら、「腸がちゃんと仕事をしている証拠ですから」「無ければ逆に問題です。」って云ってくれました。
 
 あるとき、大量に出てしまったみたいで、パットを通り超して、パンツから、パジャマまで汚してしまったんです。もう、家に持って帰って捨てるしかないと思っていたら、看護助手さんが、捨てるのも勿体ないからって言って、洗ってくれたんです。しばらくして、洗われて、漂白剤に漬けられてビニール袋に入ったパンツを持ってきてくれました。

 入院するときに、予め購入しておいた尿取りパットが無くなってしまい、ナースステーションに置いてあるものを使うようになりました。この場合、数を記録しておいて、後で、下の売店で買って返すことになっていました。

 すでに歩けるようになっていて、暇をもてあましていた僕は、点滴スタンドをガラガラ曳いて、売店に行き、女性用の尿取りパットを買いました。足りなくなると困るから、多めに買い込みました。それから、紙パンツも買いました。これだったら、汚れても捨てれば良いわけですから。
 ナースステーションに寄って、借りていたパットを返して、残りをベッド横の棚にキープしました。これでひと安心です。

 次の日の朝、主治医の先生がやってきて、「今日、何日目でしたっけ。」って指折り数えて、「管、取ってしまいましょう。」って言いました。しばらくして、若い先生が来て、管を取り外してくれました。ハサミで糸を切っている音がしましたから、管は肛門に縫い付けてあったみたいです。「トイレで、いきまないでくださいね。傷口が外れたら、緊急手術で、次は人工肛門ですから」って脅されました。

 僕は、晴れて、自分の意思で、ウンコができるようになりました。「いきんだら人工肛門」というプレッシャーは、かなりのモノでしたけど。



 で、この尿取りパットどうしましょう。